JFE蘇我工場跡地
開発計画

2007.04〜
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つぎのそが
 ‐蘇我内の住み替え支援による持続的居住シナリオの提案
 

□導入

「どんな蘇我になったらずっと住みたいと思いますか?」

人口減少時代といわれる現代社会。蘇我のような郊外では、従来型の大規模開発とは異なる開発が求められる。そこで私たちの計画コンセプトは二つある。

一つ目は「ゆったり居住、しっかりサービス」。郊外の人口密度を保ち、更にサービス施設の密度を上げる。
二つ目は「蘇我内での住み替えやすさ」。人々の人生の変化に伴う住み替え欲求を蘇我地域内で満たす。本計画の事業主体はLLC(合同会社)である。LLCは中央区を活動の拠点とする企業やNPOによって構成される。その活動内容は新居住地の開発や既成市街地の再構築、居住者の住み替え支援である。本計画の開発は、新居住地の段階的な開発と既成市街地の再構築を同時並行で行う。段階的な開発が居住者のニーズに合わせた居住地開発を可能とする。既成市街地の再構築は、住民の住み替え等により発生した住宅ストックを活用する。そこにサービス施設等を挿入することで既成市街地のサービス密度も上がる。

  このようにライフスタイルに基づく住み替えをハード面、ソフト面で支援していくことで人々は蘇我地域内で循環する。人々の地域内循環によって持続可能な居住シナリオが創造され「つぎのそが」へと変革を遂げる。
 


□コンセプト



「ゆったり居住、しっかりサービス」
  現在の蘇我地域(蘇我1丁目、今井2・3丁目)の人口密度は133人/haである。本計画で、新居住地の人口密度を他の大規模住宅開発に比べて、低めに設定し蘇我の既成市街地を含めた人口密度を農村?郊外と同レベルとする。また、その人口密度を維持しつつ、生活サービス水準を現在の都市部に近いレベルで実現させる(図1参照)。
 

□新居住地へのアプローチ

段階的開発:以下の3点の狙いのもと、新居住地への入居状況と平行した住宅開発を行う。
1.緩やかな人口増加 2.ニーズに沿った住宅開発 3.空き家リスクの軽減









 



□既成市街地へのアプローチ

「LLC(合同会社※)」を介し、既成市街地内の不動産の運用を行う。

<目的>
・中古の住宅を有効に利活用
・既存の土地や建物を生かし、サービス施設を挿入

<企業・NPOのメリット>
・企業メセナとしての地域・社会貢献
・地域の活性化が、間接的に地元企業の利益となる
・雇用者用住宅の確保

<不動産運用事業の内容>
・蘇我地域内居住者の住み替え支援
 

□蘇我地域内住み替え促進

新築生産上限制度
 蘇我地域内における住民の住み替えの促進はLLC(合同会社)が中心となって行う。その前提として新築生産上限制度を今回の計画では設定する。新築生産上限制度とは新築住宅に対するニーズに関わらず、常に一定量以上の新築住宅の供給を行わない制度。
 それによって地域内の中古住宅の流通促進を図る。さらに新規住宅供給を抑制することで、段階的発展にも寄与することができる。新居住地の開発を計画的に行うとともに、中古住宅の価値や流通の可能性を高めていける。
 


千葉大学工学部都市環境システム学科小林秀樹研究室
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