癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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癌に効くという温泉-その2

○新潟の村杉温泉・長生館

 村杉温泉は、ラジウム濃度は玉川温泉を上回るとのこと。自宅から少し遠いため、11月に2泊3日で出かけた。ドライブの楽しみを兼ねて、行く途中で観光地・大内宿に寄り道した。家並みが美しく、昼に食べた蕎麦も美味しかった。

 妻は、蕎麦に添えられた「揚げ餅」に感激し、後日、自宅で再現しようとした。しかし、大内宿はつきたての餅のようで、なかなか同じにならないと、改めて感心していた。

 宿泊した長生館は、高評価のホテルで施設も接客も心地よい。目玉は、ラジウムが溶け込んだ温泉。水に溶けたラジウムの寿命は短いため、天然で湧出するのは珍しいという。入浴前と後で、その源泉を飲むのが定番だ。

○冷たい源泉と交互に入るのがお勧めとのこと

 源泉の温度は低いため(24度ほど)、大浴場は温めている。温めるとラジウム濃度は急速に薄まるため、隣に冷たい源泉がある。そこに交互に入ると効果があるという。
 私は、冷たい源泉には1回入るのが精一杯であったが、妻は何回か繰り返したようだ・・・強いなあ。

 2泊3日で6~7回入った。また、村杉温泉は、地域一帯がラジウムを放射している。周囲を散策したが、それだけでも効果があるという。

 近くに瓢湖があり、夜明け前に白鳥を見に行った。明け方に一斉に空に向かって飛び立つ様子は圧巻だ。私には、希望に向かって飛び立つように見えた。

 とても心地よい時間を過ごすことができた。宿泊中は体調がとてもよく、帰りは長距離を運転した。暖かくなったら、また泊まりたいと思う。

○薬師石を購入して自宅で温泉

 長生館では、ラジウム原石である薬師石を売っていた。通販はしておらず現地販売限定とのことだ。タイル状のものが5千円、石ころ状が4千円で、各1つを購入した。

 それを自宅の風呂で使っているが、効果は確かにある。薬師石を沈めたことで体の温まり方が違う。とくに薬師石の近くはポカポカする。放射線によるホルミシス効果という科学的に確認された効果のようだ。

 それが癌治療に効果があるかどうかは分からない。しかし、湯冷めしにくくなっただけでも購入した価値があったと思う。

 ネットをみると玉川温泉の殺生石と称して高額で売られているが、消費者向け雑誌の調査によると、大部分がラジウムを発しておらず偽物だそうだ。それに比べると、現地で購入した薬師石は、自宅で手軽に保温効果が得られており、お買い得であったと思う。

○福島の母畑温泉・八幡屋

 母畑温泉は、病や癌に効くことは謳っていない。というより体調が悪い方はご遠慮下さいとのことだ。では、なぜ選んだのかというと、天然のラジウム源泉を引き込んだ岩盤浴があるからだ。そして、旅行サイトの評価がとても高いことも大きな理由であった。

 10月に訪問したが、施設、食事、接客など、とても快適なホテルであった。このため、翌年1月の治験が始まる前に再訪問した。もちろん、1月は雪が積もる。スタッドレス・タイヤに履き替えて出かけた。

○風呂が充実しており岩盤浴も快適であった

 入浴施設は露天風呂の数が多く、それをめぐるだけで楽しい。人気のホテルになるわけだ。その中でラジウム岩盤浴は比較的すいており、ゆったり利用できた。床に敷く大きなタオルは、部屋の前に用意されており、手ぶらで利用できる。温度・湿度はちょうどよく快適であった。

 その部屋の隣に、内モンゴルの麦飯石を利用した遠赤外線サウナがある。こちらも、体を温めるのに効果的だ。私は、釈迦の霊泉をペットボトルに入れて水分を補給しながら利用した。

 さて、効果のほどは?
 10月の訪問時は背中の重さが軽くなり、それが2日ほど続いた。効果があったようだ。そして、2回目の1月は癌が進行している時だ。それでも、翌日まで効果が持続した。

○まとめ-温泉は確かに効果があった

 釈迦の霊泉、やわらぎの湯、村杉温泉、母畑温泉をめぐり、そのほかにも、夏に新潟の赤倉観光ホテル、秋の紅葉期に裏磐梯高原ホテルに宿泊し温泉に入浴した。

 これらを通していえることは、温泉で体を温めること自体が癌の痛みや重苦しさを和らげる効果があるということだ。一方のラジウムの効果は分からない。しかし、ラジウムにはホルミシス効果という体を温める効果がある。それはプラスになるのではと思う。

 もしかしたら温泉の効果だけではなく、自然の中でのゆったりした気持ち、出かけるときの気持ちの華やぎ、車でドライブの楽しさ、なども合わさって体の治癒力を高めたのかもしれない。

○温泉療法は標準治療の補助だと思う

 しかし、このような効果は、抗がん剤等の標準治療の補助的な役割ではないかと感じている。温泉療法は痛みを和らげるが、癌そのものを縮小する効果は限られているようだ。

 12月15日に標準治療を終了し、1月14日から治験に参加するまで1ケ月間「無治療期」があった。その間に、毎週のように温泉に出かけたり釈迦の霊泉を飲み続けたりした。しかし、癌は大きくなり腫瘍マーカーは悪化した。
 もちろん、だからといって温泉療法が無駄ということはない。癌の痛みを和らげることは、日常生活を穏やかにし、治療に前向きになる気持ちを助ける。数値には表れないが、効果は確かにあったと思う。

 さて、その後、癌の進行が抑制されたのは、新しい治療を開始してからであった。次回以降に2022年を迎えた暮らしの様子を綴る。


瓢湖の白鳥

大内宿